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色は壊れた光である。

色彩を勉強すると最初の方に出てくるのが、“選択吸収”と“選択反射”。

モノに光があたって、ある色光は吸収し、ある色光は反射することをいうのですが、つまり、今自分の見ているモノの色というのは、モノそのものじゃなくて、モノが反射した“光”の色なわけです。

これって、けっこうビックリな事実ですよね。最初にこの事実を知った時、目からウロコが落ちる思いでした。

でもって、今僕が読んでる本で見つけたのが、上のタイトルのコトバ。

評論家の小林秀雄氏(1902-1983)が自らの著書「近代絵画」にて使ったコトバで、色のバランスを保って無色のフリをしていた光が、モノに当たるとそのバランスを崩してしまう。その崩れた状態が色なんだということですが、いいコトバですね。このコトバを思いついた時、氏も、「俺ってナイス!」と思ったに違いありません。

。。。なんてものすごく知ってる人のように書いてますが、私は彼のことを全然知りません。氏は、美術論のみならず、多方面で優れた評論をなさった人らしく、今度彼の著作を読んでみようと思いました。

ちなみに、まったく関係ないですが、ほぼ日刊イトイ新聞では、
「小林秀雄、あはれといふこと。」というのが連載されてます。
http://www.1101.com/kobayashi/index.html
アホすぎます。
by rocksaloon | 2005-04-24 22:16 | ヤミナベ
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