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リチャード・バック 「イリュージョン」

d0032310_19171843.jpg友人お薦めの、リチャード・バック「イリュージョン」読了。
村上龍のあとがきにあるように、
しばらくボンヤリと空想と現実の境を彷徨ってしまった。

前に同じ作家の「かもめのジョナサン」は読んだことがあった。
基本的には、同じ思想の上に物語は進行する。
しかし、決定的に違うのは、その“肌触り”。
すごくストイックで、俗の部分を一切排したのが「かもめのジョナサン」なら、
清濁併せ飲んだのが、この「イリュージョン」だ。
だから、読者を虚空に突き放す挑戦的な言葉も、
どこか、人間くさいし、あたたかい。
読んだ後に、これほど充足感に満たされる本はそうそう無いと思う。
自分の本棚の特等席に置くことになった。

あとがきで紹介されている、バックの言葉もいい。
本編に比べると、ちょっと直接的だけど。

『人間が本当に愛するものを見つけることはとても大変なことで、それがすべて、要するに人生の中心だと思うね。一生かかっても、ついにそれが見つからない人も多いと思うんだよ。だけど、ドアが閉まっていても、いつかは絶対に自分の好きなものが見つけられると、そういうふうに導かれているんだと信じることだね。だいたいは、どこもかしこも閉まっていると、絶望的になっちゃうんだよ。だけど、あっちこっち叩いているうちに、どこかのドアがポンと開くと思うんだね。そこへ入る、またドアが全部閉まっている。必死になって叩くと、またひとつだけドアが開く。そういうところをひとつずつ通過しているうちに、いつか、ものすごい光が自分の中に出てくるはずなんだよ。』

「イリュージョン」 リチャード・バック(Richard Bach)作・村上 龍訳/ 集英社文庫(現在絶版)

ちなみに僕はamazonで手に入れました。
最初、リアルショップで買おうと思い、かなり古本屋を巡りましたが、
人気があるらしく、とうとう出会うことはできませんでした。
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by rocksaloon | 2005-05-26 21:18 | 本&アート&写真
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