<< アリエナーイ キース田中、56歳。 >>

Cardigans 「Life」

d0032310_18502279.jpgスウェーデン出身の5人組バンド、カーディガンズの2ndアルバム(1995年発表)。当時、シングル「カーニヴァル」と共に、日本でも大ヒット。スウェディッシュ・ポップ・ブームの火付け役となり、プロデューサーであるトーレ・ヨハンソン(Tore Johansson)と、そのスタジオ(タンバリン・スタジオ)までが有名になりました。

流行っていた当初は、あまりのもてはやされ振りに少し敬遠していたんですが、後年、自分の入っていたバンドでアルバム内の数曲をコピーすることになり、その時はじめて音源を手に入れました。

はっきりいって、名作。実は、こういう流行ったもの、しかもアーティストの今の位置づけが微妙なものを名作、と言い切るには少しばかり勇気がいるんですが、それでも僕は言い切りたい。これは名作!
まず、一曲一曲の出来が良い。ドリーミィ&メランコリックで、いろんなポップスの要素が万華鏡のごとく散りばめられています。で、Vocalの紅一点ニーナのややウィスパー系でキュートな声を、脇を固める野郎ども(バンドメンバー)の演奏が見事に活かしきってます。もう、始めから最後まで、メンバーはひたすらニーナの声を立てます。黒子に徹します。バンドの魅力はココ(ニーナの声)にしかないんだ!というぐらい気持ちいい割り切り方。まぁ、恐らく、プロデューサーであるトーレの指示だったのでしょうが・・・。こういう声を持った女性Vocalが周りにいるならば、こういうバンドになりなさいという、まさにお手本となるようなアルバムなのです。
また、個人的に嬉しかったのが、ボーナストラックとして後に加えられた1stアルバムからの5曲。1stの名曲がほぼ収録され、1stを買う必要が無くなりました。
ちなみに、我々のバンドでコピーしたのは、「1.Carnival」「5.Tomorrow」「6. Beautiful One」「8.Fine」「10.Hey! Get Out Of My Way」「12. Sick & Tired」「13.Rise & Shine」の7曲。どれもいい曲です。ただ、当時のバンドメンバー、早弾き系ギタリストのNは、弾く箇所が少ない為にかなり欲求不満気味でした。そりゃそうです。Vocalを立てる演奏だもの。ギターの出番はありません。

当時の彼らは、CDは良いがライヴはイマイチとの評をよく目にしました。イマイチどころか、酷評するものも多くあったと思います。僕も実際のライヴ音源を聴いたことがありますが、CDでは絶妙だった演奏のバランスが崩れ、繊細なニーナの歌声が周りの音にかき消されてしまい、演奏自体もあまり巧いとはいえない印象でした。当時の彼らの音楽性を考えると、ライヴのダイナミズムを求める方が間違っているのではと思いましたが、彼らはそういった批評を気にしたのか、それとも元々の趣向か(カーディガンズ結成前、バンドメンバーはハードロックバンドを組んでいた)、その後は徐々にアーティスティックかつシリアスなロック路線に傾倒していき、骨太なバンドサウンドに変化していきました。しかし、「Life」以降の3作品はいずれも「Life」を超えられていないというのが僕の印象です。(「Lovefool」等のシングルヒットはありましたが)

今思えば、「Life」は、彼らにとって、かなり確信犯的な作品だったのかもしれません。トーレ・ヨハンソンという仕掛け人の元、自ら“ポップス・バンド”を演じていたフシがあります。しかし、確実にこの作品には音楽の神様が舞い降りてます。キちゃってます。
まぁ、いずれにせよ、90年代を代表する名盤の一枚であることは間違いない、と勝手に思ってます。

どうでもいいことだけど、同じ頃、小沢健二(オザケン)も「Life」って作品を出してたなぁ。
[PR]
by rocksaloon | 2005-06-07 08:35 | 音楽
<< アリエナーイ キース田中、56歳。 >>